事業内容
事業 まえがき
閣議決定された平成22年度の経済見通しによれば、景気は緩やかに回復していくと見込まれる。これは、対策や平成22年予算に盛り込まれた家計を支援する施策等により民間需要が底堅く推移することに加え、世界経済の緩やかな回復が続くと期待されることによるものである。
しかしながら、岩手県の景況は生産が一部業種で緩やかに持ち直しているものの、雇用情勢は厳しい状況が続き、個人消費や住宅建設も低調に推移するなど回復の兆しが見込めない状態となっている。
このように、景気回復が見込めないことから民間建設投資についても期待できない状況下にあり、しかも公共事業が大幅に削減されており、特に公共事業への依存度が高い本県建設産業にとって、平成22年度の経営環境は益々厳しい経営環境に直面するものと思われる。
また、3月23日公正取引委員会から多数の県内建設業者に対し独占禁止法による排除措置命令を主な内容とする審決が出され、4月9日には県から6か月の指名停止処分がなされた。対象建設業者の多くを会員として擁する当協会としては、重く受け止める必要がある。
地域の基幹産業として重要な役割と責務を負っているにもかかわらず、このような事態に至ったことは、多くの県民と県当局並びに関係機関の皆様に不信と疑念を抱かせる重大な不祥事であり、深く反省するものである。
このため、当協会は会員企業が法令の遵守に努め社会的責任を果たすとともに適正な取引秩序を確立し、「技術と経営に優れた企業」として県民や発注者の信頼と期待に応え、良質な社会資本を提供するとともに、本県の基幹産業として雇用の場を確保し、地域経済と県民生活の安定向上に貢献できるよう、社団法人全国建設業協会等の上部団体と連携を密に要望活動を行なうなど、次の事項を重点とし事業活動を展開する。
なお、事業事務等の実施にあたっては重要度、緊急度を勘案し、常に投資効果を検証しながら経費支出の適正化に留意し適切な執行に努める。
第1 建設業の社会的責任(CSR)の推進
建設産業は本県を代表する基幹産業であり、相応の社会的責任として県民に対する説明責任を負うものである。本来説明責任は、高い倫理的意識のもと自主的自発的に遂行されるのが基本であるが、独占禁止法違反事件の重大性に鑑み、開かれた業界を実現していくため、積極的に情報公開を進めるとともに、外部の意見を真摯に聞いていくこととする。
今回の事件を単に審決対象企業の問題と済ませるのではなく、業界全体の問題と捉えるとともに、これまでの経緯などを踏まえ、二度と繰り返さない強い決意の下、形式や前例にとらわれず実効性のある取り組みを行う。
建設企業の社会的責任(CSR)への対応として次の事業を実施するほか、県から提出を求められている改善計画書に基づき各種の取り組みを行う。
(1) 建設業のコンプライアンスの徹底と企業の社会的責任(CSR)への対応
(2) 「(社)岩手県建設業協会事業活動に関する行動憲章」並びに「建設業法等の遵守による公正なルールの確立および地域経済・社会の発展等への貢献に関する行動宣言」の見直し
(3) 地域における社会貢献活動の推進とイメージアップ活動
(4) 技術の研鑽による良質な社会資本の提供
(5) 環境に配慮した建設副産物の再利用並びに適正処理
(6) ホームページ、イントラネットの情報発信による広報活動の充実
第2 公共事業関係予算の確保による地域経済社会の活性化と県民生活の安定向上及び会員企業の経営向上に関する活動
平成20年6月、7月と立て続けに発生した「岩手・宮城内陸地震」等の大地震及び平成22年2月に発生した「チリ大地震」において、地震時の土砂災害及び津波の恐ろしさを実感したことから、県民の生命・財産を守り、安全で安心して暮らせる快適な社会資本の整備や防災・減災対策の推進とともに、疲弊した地域経済の活性化と雇用の確保が重要な課題となっている。
また、公共工事の激減等に伴う価格競争の激化によりダンピング受注が相次ぎ、企業収益が低下し企業経営の健全化を阻害するとともに、公共工事の品質確保に危惧を抱かざるを得ない状況にある。よって、次に掲げる事業を展開する。
(1) 平成22年度公共事業の適正執行
① 平成22年度当初予算の前倒し拡大発注の実現
② 国直轄事業に係る本県への重点配分
③ 適正工期の設定、適切な施工協議、適切な契約変更等、施工体制の管理監督の充実強化の実現
(2) 会員企業の受注率の向上
① 下請け業者を県内企業から選定することや建設資材調達を県産品とすることなど現行施策の更なる推進。
② 地域貢献を加味した総合評価落札方式の充実
③ 「官公需法」による中小建設業への発注率の拡大(平成21年度中小企業向け契約目標、過去最高の52.4%)
(3) 建設産業振興対策の強化要請
① 総合評価落札方式の早期全面実施など入札契約制度の改善要望
② 市長会並びに町村会への協力要請
(4) 「入札・契約適正化法」の適正運用と会員企業への周知
① 県及び市町村における入札・契約制度の改善と適正運用
② 市町村における総合評価落札方式の早期導入
③ CORINSの適正運用による不良不適格業者の排除
④ 指定建設業による監理技術者の専任制の的確な運用
(5) 低入札価格調査制度の適正運用と最低制限価格制度の適正活用及びダンピング防止対策の強化
① 市町村における歩切りの廃止と全市町村での最低制限価格制度の活用
② ダンピング受注排除の機運醸成
③ 下請け・専門工事業、資材業へのしわ寄せ排除機運の醸成
④ 建設工事コスト及び契約後の状況調査の実施
(6) 会員企業の経営基盤の強化
① 経営支援センター体制の充実による、新分野進出企業に対するフォローアップ及び新技術開発への取り組み支援
② 経営革新講座の開設及び経営相談の実施
③ 電子納品及びCADに係る研修会の開催
④ 総合評価落札方式への対応研修会の実施
⑤ 土木施工管理技士会等との連携による、経営管理、経営及び経理実務、設計積算実務に係る講習会等の実施
(7) 公共工事における前払い金の促進
① 市町村における前払いを、県と同様に請負代金100万円以上の全ての工事について4割の前払いを実現
② 全市町村に中間前払金制度の創設
③ 下請業及び資材業への前払いの促進
(8) 建設副産物の処理対策
① 建設廃棄物の処理に対する費用の適正な積算要請
② 分別処理に要する費用の適正な積算要請
③ 建設業廃棄物マニフェストの普及
(9) 下請セーフティネット債務保証事業による融資制度の活用促進(地域建設業経営強化融資制度併用)
(10) 平成22年度公共事業関係予算の確保
① 立ち遅れている生活基盤の整備や防災・減災対策等に要する公共事業関係予算の確保
② 「ゼロ国債」、「ゼロ県債・ゼロ市町村債」の増額拡大
③ 蓄積された社会資本の適切な管理に要する費用の確保
(11) 役員及び経営者の研修
建設業を取り巻く厳しい現状に対応するため経営セミナーの開催
第3 税制に関する諸課題への対応
建設企業にとって公平で適切な経営環境の確保と住宅・社会資本整備の促進、地域の活性化を図るため、重要度の高い税制等について、社団法人全国建設業協会とともに要望活動を展開する。
第4 建設需要創造対策
公共事業の地域経済に及ぼす影響が極めて大きいことに鑑み、地域経済の活性化に必要不可欠な公共事業の具体的事業の調査検討を行なうとともに、パトロール等を通じ維持管理状況を把握、企画・立案し、国・県・市町村に対し、適切な維持管理や整備について提案を行う。
また、市町村合併に係る合併特例債の活用や国土交通省の「まちづくり交付金」を活用した地域整備について提言を行う。
第5 建設業後継経営者育成対策事業の推進と建設技能工確保対策の推進
(1) 「青年部連絡協議会」の活動を促進し、後継経営者育成と人材の養成確保事業の推進
(2) 建設現場見学会、建設業ふれあい事業、インターンシップの実施による技能工確保と建設産業の役割を広報
(3) 「岩手県建設業女性マネジングスタッフ協議会」の活動を促進し人材の養成確保
(4) 高等学校における技能者養成課程の設置及び職業能力開発施設などにおける技能者養成の充実要望や事業所内養成訓練による建設技能者の養成確保
(5) 女性の登用と能力活用の促進
(6) 財団法人岩手県建設業教育訓練基金との連携による人材の育成事業の推進
第6 建設労働者の労働条件・福祉対策の推進と労働生産性の向上
(1) 建設業が良質な労働力の確保により労働生産性を向上させ、「活力ある魅力的な産業」として社会的評価を高め、本県の基幹産業としての役割を果たし、県勢の振興に寄与できるよう、財団法人岩手県建設業教育訓練基金と連携を図りながら建設雇用改善事業を積極的に推進する。
(2) 岩手県建設業厚生年金基金への未加入会員等の加入促進
(3) 建設業退職金共済制度への加入促進
(4) 労働安全衛生対策の整備による労働災害防止と健康の保持増進及び財団法人建設業福祉共済団の建設共済などの法定外労災制度への加入促進による労働災害補償制度の充実
第7 建設生産システム合理化等構造改善の推進
国の「建設生産システム合理化方針」、「建設産業大綱」、「建設産業構造改善推進プログラム2007」及び県の「新いわて建設業振興指針」、「建設業対策中期戦略プラン(改訂版)」などに基づき、建設生産システム合理化などの構造改善への積極的な対応を図る。
第8 緊急時における事業継続計画(BCP)への対応
災害に対する建設業の役割として、いち早く現場に駆けつけ、迅速な応急復旧に従事することが挙げられることから、災害時における建設業の社会的使命を果たすためには建設企業自らが継続して事業活動ができる体制を構築しなければならず、大規模な災害による被害を想定し、事業継続のための方法・手段を事業継続計画(BCP)として定め、これを継続的に実践していくものとする。
(1) 建設BCPモデル企業のBCPを完成するとともに、モデル企業を中心として、各支部ごとに会員企業のBCP策定を促進する。
(2) 大規模災害発生を想定した情報伝達と緊急災害対応訓練を、行政機関との連携の下に実施する。
(3) 災害対策支援のための各支部の組織体制の見直しを進めるとともに、本協会本部事務局における災害時対応の体制整備に取り組む。
第9 公益法人制度改革への適切な対応
平成20年12月1日より、いわゆる公益法人改革関連法(一般法、認定法、整備法)が施行され、特例民法法人となり、新制度における税制上の取扱いも決定されたため、今後、施行日より5年後の平成25年11月30日までの移行期限内に、一般法人、公益法人のいずれかへ移行することになる。
本協会は、公益目的事業の内容および実施額、遊休資産の制限、本部・支部組織等総合的に勘案した結果、一般社団法人を目指すことにし、平成23年の認可申請に向けて、平成22年度はその準備期間として各種事業および組織体制作りに取り組むことにする。また、併せて、建設業協会に土木施工管理技士会および教育訓練基金両法人を合併させることについても取り組むことにする。
第10 建設業退職金共済事業の推進
独立行政法人勤労者退職金共済機構との間で平成20年4月1日に締結した業務委託契約に基づき、同機構が平成22事業年度計画(計画期間平成22年4月1日~平成23年3月31日)に定めた加入促進対策の次の事項について、岩手県支部として適切な執行に努める。
(1) 加入促進対策の強化
① 未加入知事許可業者に対する、パンフレット・加入手続用紙の送付等による加入促進
② 未加入下請事業主に対する、元請事業主を通じた加入促進
③ 建設業協会および関連団体の会員企業および関連下請事業主に対する、各団体を通じた加入促進
④ 国・県等の発注者に対する加入指導の実施依頼
⑤ 元請事業主・関係団体・国・県・市町村に対する制度周知のためのリーフレット等の配布、並びに周知の依頼
(2) 制度の適正履行の推進
① 「共済手帳受払簿」、「共済証紙受払簿」の普及徹底並びに正確な記載の要請
② 元請事業主に対して「建退共制度関係事務受託処理要綱」に沿った適正な事務処理の要請
③ 共済手帳未更新者への履行の勧奨、並びに住所不明共済契約者等の状況把握と本部への報告
④ 3年間更新手続きのない長期未更新者に対する調査の実施、および退職金受給、手帳更新、手帳返納の指導
⑤ 民間工事における証紙購入、交付、貼付による制度活用の要請
⑥ 被共済者重複チェックによる重複加入および退職金未請求等の防止
⑦ 県内市町村に対する、「加入・履行証明書」、「発注者用掛金収納書」の徴収要請
⑧ 「建退共現場標識」掲示の徹底の促進
⑨ 電話・窓口による相談業務の積極的かつ的確な推進
(3) サービスの向上
① 事務処理の合理化・迅速化
② 退職金請求者に対する厳正な審査の実施、および受付から30日以内の退職金給付の励行
(4) 広報活動
① 関係行政機関・地方公共団体に対する広報資料の配布および周知の要請
② マスメディアを活用した広報活動の実施
③ 建設業協会ホームページおよび「いわて建設時報」を活用した情報提供の実施
(5) 「加入促進強化月間実施要綱」に基づく加入促進・履行確保活動の実施






