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  • 国道交通省ICT活用工事における3D出来形見学会

    2016年12月13日千厩支部

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    12月12日、国土交通省ICT活用工事における3D出来形現場見学会が千厩支部管内で開催されました。レーザースキャナーによる3次元計測・出来形管理の説明が行われました。9月6日にUAV(ドローン)による3次元航空起工測量の見学会、10月20日にICT建機現場見学会が実施された現場です。

    国土交通省、現場の安全協議会構成会社、建設業協会広報委員会IT部会、現場関係者などが参加しました。

    国土交通省が進めるi-ConstructionにおけるICT活用工事の対象工事で、施工者希望Ⅱ型として発注された工事になります。

    工 事 名 北上川上流曲田地区築堤盛土工事
    発注機関 国土交通省東北地方整備局岩手河川国道事務所
    施工場所 岩手県一関市藤沢町黄海字下曲田
    施 工 者 ㈱小山建設

    ICT活用工事とは、「建設生産プロセスの全ての段階においてICT施工技術を全面的に活用する工事」です。
     ①3次元起工測量
     ②3次元設計データ作成
     ③ ICT建機による施工
     ④3次元出来形管理等の施工管理
     ⑤3次元データの納品

    今回は、3次元計測にドローンではなく、レーザースキャナーを使用した「④3次元出来形管理等の施工管理」の現場見学会になります。

    レーザースキャナーを選択した理由は、気象条件に左右されないことや精度の高いデータ取得ができること、工事規模などから勘案したと説明がありました。

    施工箇所全体をスキャンするためには、数カ所での計測が必要になります。ドローン測量と比較して、飛行計画作成、評定点設置、写真データから点群データ化処理などの工程が不要です。
    雪があるとレーザーを雪に照射してしまうなどの課題もありますが、ドローン測量でも雪の場合は測量が不可能です。

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    3次元データを活用してヒートマップによる出来形管理も容易にできるとのことでした。3次元での出来形管理票が作成できます。


    「ICT施工を体験した現場の声」として紹介がありました。
    ・UAV測量は広範囲で有効だが、規模によってはレーザースキャナー測量がベスト(気象条件に左右されないというメリットもある)
    ・設計段階での3D設計データ化の早期実現で、設計精度向上を期待(2D設計データを3D化してから判明する部分が出てくる)
    ・MCブルドーザーの施工効率、仕上がり向上は目を見張るものがある
    ・MCバックホウは荒仕上げまでは非常に有効(最終仕上げは従来と同程度)
    ・MC建機使用で安全性は向上(周囲の安全に注意を回せる)
    ・MCブルドーザーは走行距離が短く、騒音・振動の低減と燃費向上が見られた
    ・現場条件がマッチすれば工程短縮可能
    ・ICT技術と従来技術のハイブリットが現時点では現実(良いとこ取りでの生産性向上がベスト)
    ・オペレーター全員がMC建機に対応できるとは限らない(コツを掴む必要あり)
    ・ICT技術の適切な利用で従事者のやりがい向上と建設技術が確実に後世に受け継がれることを望む