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  • 「重機オペレーター技能競技大会」を初開催=技能を伝える大切さを再確認=

    2018年8月24日岩手県建設業協会

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    8月23日、当協会として初めての試みとなる「重機オペレーター技能競技大会」を盛岡競馬場臨時駐車場にて開催しました。気温が36度を超える猛暑の中での競技大会となりました。

    主催 一般社団法人岩手県建設業協会
    後援 岩手県、東日本建設業保証株式会社岩手支店、株式会社日刊岩手建設工業新聞社

    県内13支部から推薦された技能に優れた重機オペレーターが熟練の技を競いました。出場者は、平均年齢51歳(30代5名、50代3名、60代5名)、平均経験年数が27年という卓越した技能の方々です。

    重機オペレーターの仕事は建設現場において欠かすことが出来ないものであり、自然災害等が発生した際には最前線で緊急の応急対応に従事します。重機オペレーターの技能は地域を守るためにも継承されなければならないものと言えます。

    本競技大会の主な目的は、技能の更なる向上と"やりがい"の創出により、ひいては将来的な技能継承につなげることにあります。また、競技内容は、現場で実際に行う作業を想定した内容となり、多くの方々に重機オペレーターの技能を知って頂くことで、建設業への理解促進と入職促進につなげることも目的の一つとしております。

    競技では「法面整形」と「積込み」を行い、2つの採点結果の合計点で順位を競いました。採点項目は施工スピード・正確性・安全・操作方法などです。競技では日本キャタピラー合同会社にご協力をいただきました。

    sen08DSC09359挨拶 一般社団法人岩手県建設業協会 会長 木下 紘(代理:副会長 向井田岳)


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    挨拶 岩手県 県土整備部 建設技術振興課 総括課長 大久保 義人 様


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    重機オペレーターの同行者、後援先関係者、一般観覧者、報道関係者、協会関係者を含めて約80名が集まりました。


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    県内13支部から推薦された重機オペレーター13名



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    会員企業に依頼してドローン2台で撮影を行いました。ドローンの映像は、会場テント前に設置したモニターにリアルタイムで映され、競技の様子をモニターから見ること出来ます。後日、地上から撮影した動画と合わせて編集する予定です。編集が終わりましたら、いわけんブログにて紹介させていただきます。



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    「法面整形」では丁張り(設計に沿った目印となる板)に沿って、法の天端と法面を整形します。乾いた柔らかい砂という悪い条件でしたが、熟練の技で平らに仕上げていきます。


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    競技会場の先に見える岩手山(ドローン撮影)



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    「積込み」では、10tダンプに7tの砂を積込み、スピードと重量の正確性、荷姿などを競いました。普段は積むことがない7tという重量でしたが、長年培われた経験から目分と感覚で積み込みます。



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    sen08DSC09505優勝者は、盛岡支部 樋下建設㈱ 畑山正行さんです。経験年数38年、事前に頂いていた一言コメント「優勝を目指します」の言葉通り、有言実行となりました。

    入賞者(敬称略)
     第1位 盛岡支部 樋下建設㈱ 畑山正行

     第2位 奥州支部 進栄建設㈱ 千葉裕明
     第3位 岩泉支部 ㈱畑中組 早野豊
     敢闘賞 二戸支部 ㈲甲斐建設 平内慎也
     特別賞 北上支部 ㈱小田島組 本舘透

    後援企業賞(敬称略)
     東日本建設業保証㈱岩手支店 賞 釜石支部 ㈱及川工務店 髙清水一志
     ㈱日刊岩手建設工業新聞社 賞 千厩支部 ㈱千葉建設 藤田孝一

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    エキシビジョンマッチ ノーマル仕様 VS ICT建機(3DMC)

    最後に優勝者が操作するノーマル仕様のバックホウと、女性デモンストレーターが操作するICT仕様のバックホウとのエキシビションマッチを行いました。ICT仕様のバックホウは、3次元のマシンコントロール仕様で、設計面に合わせて自動でバケットの刃先が制御されます。

    実際の現場では、重機足場を作るなどの事前準備が入るため、単純な比較とはなりません。重機足場を作ることもオペレーターに必要な技術と言えます。法面に平行にバックホウを配置した状態でのスタート、バケット幅のみでの整形、バケットが掘削用など、優勝者の従来機には不利な条件となりましが、優勝者の畑山さんには真剣に取り組んで頂きました。

    この対戦では、昨今のICT技術の目覚ましい進歩を確認することが出来ました。なおかつ、重機オペレーターの優れた技能を再確認することも出来ました。機械の進歩も重要ですが、操作する人間の能力は不可欠であり、今回の大会を通して技能継承の大切さも伝えられたと思います。


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    出場したオペレーターは、遠くから参加された方もいれば、普段乗り慣れない機械での競技となった方もいます。更には事前に案内した競技内容からの変更もありました。そんな中でもプロとして真摯に取り組むオペレーター皆様の姿勢が観覧している側に伝わり、緊張感と面白みのある競技大会となりました。技能の継承だけでなく、プロとしての姿勢も継承すべきものであると感じさせられました。

    初めての開催ということから不手際等が多々あったと思いますが、無事に終えることが出来ました。参加された皆様、ご協力いただきました皆様、当日の運営に奔走された日本キャタピラー合同会社の皆様に感謝いたします。