花林舎動物記
平成20年6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第9回「刺されても恐れず憎まずスズメバチ〈その1〉」です。
第9回刺されても恐れず憎まずスズメバチ〈その1〉
ハチに刺される
スズメバチに初めて刺されたのは7~8年前のことでした。山道で大きな岩の下にきれいな花が咲いていたので「何だろう」と近寄ってかがみ込んだら、ちょうど頭のところにハチの巣があって、いきなりガーンと殴られたような衝撃を受けました。前にアシナガバチに刺されたときに同じような衝撃を受けたことがありましたので、ハチだということはすぐわかりました。一目散に逃げましたがあまりにも巣の近くにいましたので、頭を3カ所も刺されてしまいました。一緒にいた社員もやはり頭を3カ所刺されました。
その痛さたるや我慢の限度ぎりぎりです。人目が無かったら泣き出したかもしれません。そのうち痛いだけでなく頭がガンガンして、意識も少しボーとしてきました。それまでにもスガリ(地蜂)などにも刺されたことがあって、蜂毒アレルギーは無いことはわかっていたのですが、この痛さは気が変になりそうです。
とうとう我慢ができず、病院に行きました。注射をしてもらうとずい分楽になり、医学はこういうことにも役に立つんだ、と見直しました。スズメバチに刺されて死んだ人の記事が毎年新聞に出ますが、アレルギーが無くても10カ所刺されたら痛みと発熱で死んでしまうなあ、とこの時はしみじみと実感しました。
ところがここ数年は毎年スズメバチに刺されて、少し慣れっこになりました。痛いことはやっぱり猛烈に痛いのですが、対応の仕方もわかってきました。
まず急いで刺された患部に両側から爪を当てて、毒をできるだけ搾り出します。毒の吸出器というのがあるそうですので、それを買いたいのですが何処で売っているのでしょうか。毒を搾り出したら虫刺されなどに効く軟膏を塗るのですが、私はその代わりに伴創膏にEM・Xをしみ込ませて貼っておきます。さらに、何かあったときに服用することにしているゲルマニューム剤を少し多めに飲みます。
これでだいたい病院で手当を受けた時と同じくらいの効果があります。昨年社員がお客様のお庭で管理作業をしていてアシナガバチに刺された時は医大に連れて行きましたが、混んでいて1時間以上も放っておかれた上、看護師の対応がまことに冷淡だったので、それ以後は病院に行かないことにしました。
ハチに刺された痛みは1日くらいで消えるのですが、その後痒くて痒くて、これにも参ってしまいます。やっぱり刺されないのが一番です。といっても秋になるとあちこちに巣があって注意していてもやられることが多いのです。マムシも恐いですが、長靴を履いていればまず噛まれる恐れがないのに対し、ハチは何十倍も襲われる確率が高いのです。
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花林舎動物記
平成20年6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第8回「ウメ太郎は何処に〈その2〉」です。
第8回ウメ太郎は何処に〈その2〉
マンサクの失踪
仔犬達もすっかり成長し、多分人間で言えば20代になった頃、親子5匹の犬を連れて山林内の道を散歩していました。すると突然犬達が一斉に森の中に駆け込んでいきましたが、何事かと思う間もなく、1匹の狐が私のすぐ目の前5メートルくらいのところを、一瞬空を飛んだのかと錯覚したほど素晴らしい跳躍力で道路の上を左から右へ飛び越え、たちまち森の奥へ消えてしまいました。
と、それに驚いている暇もなく、今度は我が家の犬達がドヤドヤと現れて、吐く息も荒々しく狐の後を追って突進していきました。
しかし、毎日「食っちゃ寝」で過ごしている犬達の走力は狐にはとうてい及ばず、しばらくするとハーハー言いながら戻ってきたのですが、スピッツのような華奢な身体をしていたマンサクだけは、いつまでも戻ってこなかったのです。私は狡猾な狐の策略にはまって逆に餌食にされてしまったのではないかと想像しているのですが、真相は調べようもありません。
初めは5匹いた犬も、今は2匹だけになってしまいました。
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花林舎動物記
6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第7回「ウメ太郎は何処に〈その1〉」です。
第7回ウメ太郎は何処に〈その1〉
犬を飼う
ある作家が愛犬について書いたエッセーを読んだことがあります。家の中で飼っている犬の話で、筆者にとっては可愛いでしょうが、取り立てて変わったエピソードも無く、空虚な内容を文章のうまさでカバーしただけのつまらないエッセーでした。これを読んだ時、我が家の犬達のことを書けば100倍もおもしろいエッセーになるのだが、と思いました。
我が家では山の中の現在地に移るとき、番犬が欲しくなり保健所の野犬収容所に行ってオスの仔犬を1匹もらってきました。大きくなる犬を希望したのですが、貰ってきた犬は成長しても柴犬くらいにしかなりませんでした。そして不思議なことに、私が子どもの頃に飼っていた犬にそっくりでした。
1匹で済ませる予定だったのですが、知り合いから仔犬が生まれたから貰ってくれないか、と頼まれてメスの仔犬を1匹引き取り、都合2匹になりました。
娘たちがオスには「梅太郎」、メスには「椿」と命名しました。ツバキはすぐに大きくなり、ウメ太郎の1.5倍くらいの大きさになりました。ウメ太郎はツバキと一緒に居たがりましたが、ツバキはウメ太郎を好きではないのか、ウーッと唸って近寄せないことが多かったのです。身体の大きいツバキの方が圧倒的に強かったのでウメ太郎は悲しそうな表情をして引き下がるしかありませんでした。
ウメ太郎は本当に表情の豊かな犬で、喜怒哀楽が良くわかりました。私が出張から帰ってきた時など、嬉しくてたまらないという顔で踊るようなしぐさで走ってやってくるのです。また、ウメ太郎の犬語は私には時々わかりました。そういう吠え方をする利口な犬でした。
ウメ太郎(左)とツバキ。
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6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第6回「妄想的汚水浄化生態園(2)」です。
第6回妄想的汚水浄化生態園(2)
清澄な水になるまでの長旅
≪第4ゾーン≫
第4ゾーンは大きな池で、この汚水浄化生態園の中心です。いろいろな条件の場所を造ってあり、様々な動物が棲息できるようにしてあります。前号に書きましたが再掲載します。
a―昆虫など…ボーフラ、ユスリカ幼虫、ヤゴ(トンボの幼虫)、ホタルの幼虫、イトミミズ、ミジンコ
b―貝類…タニシ、カワニナ、モノアライガイ、カラスガイ、ジャンボタニシ
c―両棲類…オタマジャクシ(カエル、サンショウウオ)
d―エビ類…ヌマエビ
e―魚類…メダカ、グッピー、カダヤシ、金魚、フナ、ドジョウ
この他たくさんの動物が棲息できると思いますが、よくわかりませんので省略します。
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6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第5回「妄想的汚水浄化生態園(1)」です。
第5回 妄想的汚水浄化生態園(1)
前回で述べたように、ボーフラやオタマジャクシは汚水を浄化する力を持っていますが、その他にもこういう働きをする生物はたくさんいるはずです。
こういう目に見える動物や植物を使って汚水を浄化するようにすれば、微生物を使う活性汚泥法などより効率は劣るでしょうが、面白くて生態学の勉強もできる施設ができるでしょう。
いくつか克服しなければならない課題もありますので、今のところは〝妄想的汚水浄化生態園〟としておきましょう。
汚水浄化を担う動物
汚水浄化作用にかかわる生物は動物を主体としますが植物も利用します。微生物は自然に発生してくるもので十分でしょう。酸素を吹き込む、などの補助的な手段は自然エネルギーを利用できる範囲で使うこともあります。年間通して汚水が発生する場合は暖房が必要となりますが、これは最近岩手県で開発された木材チップストーブを使うことにします。
汚水浄化に活躍してもらう動物としては次のようなものを考えていますが、研究が進めばまだまだ多くのものが現れるでしょう。
a―昆虫・他…ハエ(ウジ)、ハナアブ(尾長ウジ)、蚊(ボーフラ)、ユスリカ、トンボ(ヤゴ)、ホタル、イトミミズ
b―貝類…タニシ、カワニナ、モノアラガイ、カラスガイ、ジャンボタニシ
c―両棲類…カエル(オタマジャクシ)、サンショウウオ(オタマジャクシ)
d―エビ類…ヌマエビ、手長エビ
e―魚類…メダカ、グッピー、カダヤシ、金魚、フナ、ドジョウ
f―鳥類…アヒル、アイガモ、スズメ
g―コウモリ
h―哺乳類…豚、山羊、羊
植物は水面に浮かぶタイプのものを主としますが、動物の隠れ家をつくるためには水辺や水中に生えているものも必要になるでしょう。
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いわけんブログに「花林舎動物記」を掲載いただいている滝沢村にある(株)野田坂緑研究所の所長 野田坂伸也氏から「原種シクラメン・ヘデリフォリューム」の紹介記事を頂きましたのでご紹介いたします。
岩手の庭でも越冬できる、耐寒性抜群のシクラメン
冬の花の王者はなんと言ってもシクラメンです。この美しい花が庭で育ったらと思ったことはありませんか。我国ではまだあまり知られていませんが、シクラメンの野生種(原種)は15種以上もあり、その中には耐寒性の強い種類がいくつかあります。
そのなかでもシクラメン・ヘデリフォリュ-ムはとても丈夫で育てやすく、盛岡で数箇所の庭に植えてみましたが、何年もそのままで元気に育っています。もちろん鉢植で育てても良く、「シクラメン・ヘデリフォリュームの性質と育て方」に述べる注意点を守っていただければ何年でも生育を続け、年々大きくなり多数の花を咲かせて見事です。是非この可愛らしい花を育てることをお勧めします。
(要 約)
・ シクラメン・ヘデリフォリュームは野草のような可憐な花が咲きます。
・ シクラメン・ヘデリフォリュームは耐寒性がとても強く、岩手の庭で越冬できます。
・ 排水良好な土に植え、潅水と肥料を少なめにするのがコツです。
・ 6月から7月の2ヶ月は葉が消えて9月から10月の花芽が伸びてきて開花、その後で葉が出てきて6月はじめまで葉がついています。
・ 球根は上に土が3、4cm載るように植えてください。
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6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第4回「ボーフラとオタマジャクシの知られざる効用」です。
ボーフラとオタマジャクシの共通点
近ごろの子どもでもオタマジャクシ(以下オタマ)は知っているでしょうが、ボーフラは知らない子がほとんどではないでしょうか。
ボーフラは頭を下にして水面に浮いていますが、人が近づく気配を察すると底に沈んで隠れてしまいます。しかし、空気呼吸するのでやがて息苦しさに耐えかねてまた水面に浮いてきます。それを小皿などでパッとすくいとって集めては、金魚の餌としてやったものです。
憎い蚊の幼虫ですが、ノロマでユーモラスで必死になって隠れようとする姿がいじらしくてかわいい生きものです。
オタマも、頭でっかちで泥土の上を這いずり廻っている姿が、まことに単純でかわいく、子ども達の人気の的です。魚と違って子どもでも容易に捕らえられるのが楽しいのでしょう。
ある時、山登りの途中で小さく浅い水溜りに底が黒く見えるほどオタマがいたので、一休みしながらしばらく見ていたのですが、気がつくと小さい蛇が1匹やってきてパクリ、パクリとオタマを食い始めました。オタマは水溜りから出られませんから、逃げようがありません。私はいたたまれなくなってそこを去りましたが、あれほどいたオタマもきっと全滅したのではないでしょうか。
大きい蛇は蛙を食べ、小さい蛇はオタマを食う。なんとむごいことでしょう。もっとも大きいガマガエルが小さい蛇を呑み込むこともたまにはあるそうですが。
話が脱線してしまいました。ボーフラもオタマも幼生期には水中で過ごし、成長すると水から出るという点が共通しています。また、幼生期の姿と成長後の姿がまるで似ていない点も同じです。
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6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第3回「哀しきマムシ」です。
「哀しきマムシ」
ニョロニョロ嫌いの方には申し訳ありませんが、前回のアオダイショウに続いて、今回はマムシのお話です。
うー、危なかった
この地で初めてマムシに会ったのは、移ってきて2年目の秋でした。まだカラマツの大きな切り株がたくさん転がっていて、畑作りの邪魔になるので、手伝いの若者数人と肩で押して、敷地の端の方へ移動させていた時のことです。
ごろりと転がった切り株から、何かがボタッと落ちて少し動きました。「あれ、蛇のようだな」と思って近寄って見ると、やっぱり蛇、それもマムシです。ギョッとして「近寄るなよー」と叫んだのですが、わずかに左右に身をくねらすだけであまり動きません。晩秋でしたから冬眠に入りかけていたのでしょう。長い木の枝ですくい取って隣の林の中に捨てました。
この時はちょっと驚いただけでしたが、後で思い出すと全くゾッとするような出来事でした。誰かの首筋の間近にこのマムシは潜んでいたのです。手でぐっと押してしまったかもしれません。何事もなくてすんだのは全く好運でした。
また別の年の夏。社員と2人で石積用の石を運んでいた時のことです。
40キロくらいの石を2人で「ヨーイショ」と持ち上げたら、下から大きなマムシがのっそり出てきました。怒った様子はありませんでしたが、2人をジロリと見てから、気だるそうにゆっくりと隣の石の間に潜りこんでいきました。私がそれまでに見たうち、最も大きいマムシでした。
腹が異常に太く、ひところ秘境動物マニアを夢中にさせた”ツチノコ”という蛇にそっくりでした。あのゆっくりした動作と、膨れた腹から推測すると、鼠でも飲み込んだばかりだったのではないでしょうか。空腹のマムシだったら、どんなことになっただろうか、と今でも時々考えることがあります。
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6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。 この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。今月は第2回「アオダイショウは可愛い」です。
蛇の出没する職場
花林舎の敷地には、相当数の蛇が棲みついているようです。”1匹の野生動物を見かけたら、そのあたりに10匹はいると考えられる”そうですが、それが正しいなら、およそ80匹のアオダイショウ、15匹のマムシ、5匹のシマヘビが花林舎周辺の1ヘクタールに潜んでいることになります。
先年まで我が社に勤めていた女子社員は蛇が大嫌いで―まあ、男でも女でも蛇が好き、という人にはまだ会ったことはありませんが―大きな蛇に出くわすと、へなへなと腰を抜かして歩けなくなりましたが、彼女のいうところでは、蛇が近くを移動している時はズー、ズーとすべる音がするので、それが聞こえると背筋が寒くなるのだそうです。
私は蛇が好き、というわけではありませんが、後で述べるような理由で今では「アオダイショウは結構可愛い奴だなあ、なんとか手なずけられないかな」なんて考えています。
花林舎界隈に出没する蛇の大半がアオダイショウですから、今回はアオダイショウについてお話しすることにしましょう。
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「花林舎動物記」の掲載について
今月から数回にわたり「花林舎動物記」という楽しい動物の話を読み切りで掲載いたします。
この「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。
このほど、執筆者である(株)野田坂研究所所長の野田坂伸也さんに深いご理解を頂き、ご厚意で転載を了承して頂きました。
とても面白い内容となっておりますので、是非お読みください。
中庭への侵入者
花林舎主人の自宅の中央は、屋根から地面までぶっ通しの空間があり、中庭になっています。庭造りを仕事にしているため、中庭というのをどうしても作ってみたかったのです。中庭の屋根は透明なアクリル板なので光が入りますが、あまりにも縦長すぎるため、底まで充分な光量が届かず、希望に反してよほど耐陰性の強い植物しか育たない中庭になってしまいました。
もっとも、建物内部に光をとり入れるという役割は充分果たしていますから、まるっきり無駄になったわけではありません。広さは2.5メートル×2.5メートルです(図参照)。
この家に住み2年くらいたったころ、中庭に植えた植物が光量不足で生育不良になるばかりでなく、どうも虫に喰われているようだと気が付きました。
四方から囲われたこんなところに、どこから虫が入ってきたのだろう、何の虫だろうと思って葉の裏表を調べてみたのですが、1匹の虫も見つかりません。昼は隠れていて夜に出てくる夜盗虫かもしれない、とも考えたのですが、被害の状況が合いません。そのうち地面の上に銀色の筋がついているのに気付いて、ナメクジかな、と思い当たりました。ナメクジも夜行性の動物です。
早速、その日の夜10時頃だったでしょうか。パッと壁面の電灯をつけて地面を見たとたん、「ウギャー!」と思わず叫びそうになりました。
どうしてそれまで気がつかなかったのでしょう。何を食べてこんなに増えたのでしょう。中庭の土の上には足の踏み場もないどころか、片足で確実に10匹は踏みつぶせるほどのナメクジの大群がうごめいていたのです。
いやはや、その気味の悪いこと。中国の暴君が意に従わない女性を投げ込んだという拷問室のようです。しばし呆然としてしまいましたが、敵の正体が分かりましたから対策も立てられる、ということになります。
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