いわけんブログ
花林舎動物記 号外編 原種シクラメン・ヘデリフォリュームの紹介
2008年10月02日花林舎
いわけんブログに「花林舎動物記」を掲載いただいている滝沢村にある(株)野田坂緑研究所の所長 野田坂伸也氏から「原種シクラメン・ヘデリフォリューム」の紹介記事を頂きましたのでご紹介いたします。
岩手の庭でも越冬できる、耐寒性抜群のシクラメン
冬の花の王者はなんと言ってもシクラメンです。この美しい花が庭で育ったらと思ったことはありませんか。我国ではまだあまり知られていませんが、シクラメンの野生種(原種)は15種以上もあり、その中には耐寒性の強い種類がいくつかあります。
そのなかでもシクラメン・ヘデリフォリュ-ムはとても丈夫で育てやすく、盛岡で数箇所の庭に植えてみましたが、何年もそのままで元気に育っています。もちろん鉢植で育てても良く、「シクラメン・ヘデリフォリュームの性質と育て方」に述べる注意点を守っていただければ何年でも生育を続け、年々大きくなり多数の花を咲かせて見事です。是非この可愛らしい花を育てることをお勧めします。
・ シクラメン・ヘデリフォリュームは野草のような可憐な花が咲きます。
・ シクラメン・ヘデリフォリュームは耐寒性がとても強く、岩手の庭で越冬できます。
・ 排水良好な土に植え、潅水と肥料を少なめにするのがコツです。
・ 6月から7月の2ヶ月は葉が消えて9月から10月の花芽が伸びてきて開花、その後で葉が出てきて6月はじめまで葉がついています。
・ 球根は上に土が3、4cm載るように植えてください。
シクラメン・ヘデリフォリュームの性質と育て方
1.シクラメン・ヘデリフォリュームの原産地は地中海沿岸です。この地方は冬に雨が多く夏には極めて少ないので、このシクラメンは6月~8月には葉が枯れてしまうと言う性質(夏眠という)を持っています。この時期には潅水しないで下さい。植替えはこの時期が適しています。
花は早いものは7月頃に咲くものもありますが、(この場合潅水します)多くは9月から10月に咲きます。1ヵ月以上咲き続けます。花は園芸種のように豪華ではありませんが、可憐でいかにも野生種といった風情があります。
2.土は透水性良好で、ややアルカリ性に適しています。ここで売っているシクラメンの栽培用土は次のような混合になっています。これが最良かどうかは分かりませんが、順調に育っています。1000倍くらいに薄めた液肥を月に2回くらいやると花つきが良くなるという人もいますが、水も肥料も少なめにやるのがコツです。鉢植の場合、水は土の表面が乾いたらさらに1~2日経ってからやります。鉢底から水が出てくるまでやるのは普通の植物と同じです。ひんぱんに潅水したり、肥料を多くやると球根が腐ってしまいます。地植えの場合は全く潅水しなくても大丈夫です。
十和田砂 5 、 クン炭(灰混じり) 1 、 バーク堆肥 1
ヨウリン 0.01
3.日陰にかなり耐えますが、真夏以外は日の当る場所のほうが生育良好のようです。真夏にはできれば直射光を避けてください。この時期には葉が出ていないことが多いので、球根のあるあたりに十和田砂を3cmくらいかけておいてもいいでしょう。
耐寒性が強いとは言っても、岩手では冬には鉢植のまま外に置くのは危ないので、凍らない程度のところに置いて下さい。
地植えの場合は、球根が4~5cmもぐるように植え、冬が近づいたら前記の栽培用土をさらに3cmくらいかけてください。次の年の冬からは減った分だけ補ってください。
4.花は横に花柄が伸びてから立ち上がる性質があり、大玉になると開花期の1株の直径が40~50cmにもなりますから鉢植の場合は1年ごとに植え替えて、少しずつ大きな鉢にしてやると見事になります。
5.増やしてみたい人は、6月に熟す種を取って前記栽培用土に1cmくらいの深さに埋め込んで乾かない程度に水をやって半日陰に置くと、9月から10月ころ小さい葉が出てきます。2年間は冬も凍らないところで育てるのが間違いないでしょう。小さい間は夏も葉が付いている事が多いので潅水を続けます。混み合って来たら植え広げます。3年くらいで開花します。
「シクラメン・ヘデリフォリュームの性質と育て方」→PDFファイル
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