いわけんブログ
東日本大震災における災害復旧作業での教訓等について
2016年4月21日岩手県建設業協会
熊本県を中心に相次いでいる地震では甚大な被害が出ており、犠牲となられた皆様に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
地元の建設業関係者におかれましては、最前線で災害復旧に当たられていることと思います。緊急対応は、土砂災害、道路等復旧、建築物の改修や解体、ガレキの撤去、上下水道等の管路復旧など多岐にわたり、余震が続く中では非常に危険な作業を伴います。
東日本大震災発生当初にホームページ上で掲載した教訓を参考までに紹介いたします。建設業関係者をはじめ、復旧作業に従事される皆様が無事に作業にあたられますことをお祈り申し上げます。
≪東日本大震災発生当初 復旧作業、がれき撤去作業に関わる教訓≫
1.現場で不足したもの
①今回の震災では燃料不足(軽油やガソリン)が深刻な事態に陥った。
②作業で必要な防塵マスク、作業用手袋、作業用ゴム手袋、軍手、タオル、ブルーシート、安全ベストが不足した。
③ダンプなどの車両が釘などを踏みパンク、パンク修理が出来る場所がなかった。
④重機が故障、重機の修理を出来る場所がなかった。2.健康上の問題と対策
①乾いた土砂などが風で舞い、粉塵が立ち込める→防塵マスク、ゴーグル
②流された建材に紛れ込む石綿→防塵マスク、散水・薬液処理による湿潤化、建材を割らない
③傷口から破傷風に感染の恐れ→丈夫な手袋、安全靴など底の厚い靴、長袖の作業着、傷を負った際の洗浄・治療、予防接種
④PCBの混在→古いトランス、コンデンサー等PCBを含むものを触らない3.安全上の問題と対策
①余震による津波の発生→ラジオで把握、避難経路の確保
②作業員、第三者と作業用機械の接触→第三者の立ち入り禁止、作業半径内立ち入り禁止、誘導
③被災した建物の倒壊→建物の状況・強度確認
④重ねたガレキの倒壊→重ね過ぎない、ガレキ上での作業を避ける
⑤釘の踏み抜き→安全靴など底の厚い靴、鉄板入りなど
そのとき地元建設業は3.11東日本大震災、最前線の記憶(作業従事者38名)
http://www.iwaken.or.jp/00data/kiokuwoomoini/p096_memory.pdf
※最前線の作業従事者の教訓などを綴っています。
以下、参考までに災害復旧に係るリンクを掲載します。≪関連リンク集≫
<厚生労働省>
がれきの処理における留意事項
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/110502-2.html
平成23年東北地方太平洋沖地震による災害復旧工事における労働災害防止対策の徹底について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015hkw.pdf
平成23年東北地方太平洋沖地震による災害復旧工事における労働災害防止対策の徹底について(その2)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016rlr-img/2r98520000016sgp.pdf
<NHK岩手放送局(平成26年5月放送)>
復興工事の労働災害 なぜ増えているの?
http://www.nhk.or.jp/morioka/obandesu/newsnohatena/140508/index.html
<独立行政法人労働安全衛生総合研究所>
東日本大震災の復旧・復興作業における労働災害分析結果について(第 2 報)
https://www.jniosh.go.jp/publication/doc/kensetsu_kouji_rousai120710.pdf
災害復旧建設工事における労働災害防止対策
https://www.jniosh.go.jp/publication/doc/kensetsu_kouji.pdf
災害復旧建設工事における労働災害防止対策(その2)
https://www.jniosh.go.jp/publication/doc/kensetsu_kouji.pdf
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