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  • けんせつ女子=㈱長谷川建設 建築部 加藤美保子さん「感謝の気持ち胸に家づくりを」=

    2016年1月21日岩手県建設業協会

    日刊岩手建設工業新聞に掲載(隔週木曜日)されている『スマイル☆建設女子部~女性記者ほしこが行く~』の記事を不定期に転載いたします。同紙の女性記者が、建設業に従事する女性を取材する企画で、読者から好評を得ている連載記事です。

    近年、「ドボジョ(土木女子)」や「けんせつ小町」という愛称ができるほど、建設業で働く女性の活躍が益々期待されています。「女性が輝き、活躍できる業界」であることを多くの方に知って頂きたいとの思いから、日刊岩手建設工業新聞の全面的な協力をいただき、掲載するものです。

    平成27年2月5日新聞掲載
    ㈱長谷川建設(陸前高田市)建築部 加藤美保子さん「感謝の気持ち胸に家づくりを」

    ―加藤さんは、大工として入職したと伺いました。どうして大工になろうと思ったのですか?
    「幼いころ、大工だった父のいる現場に行った時に、木端にくぎを打って遊んでいたことがありました。その時、父が携わっていた家のおばちゃんに『大工さんかと思った』と言われたのがすごくうれしくて。そしてなにより、父の仕事が面白そうに見えたんです。将来どんな仕事に就こうか考えたときに、『そういえば女性の大工さんってあまりいないよな ぁ』と思い、入職しようと思いました」


    ―入職して、男女の違いを感じたことなどはありましたか?
    「やはり力の差は感じました。天井ボードを上げるにしても、男性だと一人で上げられても、私だと力が足りなくて難しかったり。力がない分、どうカバーしようか考えましたね。ボードを押さえるようなものを自分で作ったり、どんな方法があるのかを教えてもらったりもしました。『手伝って』とお願いすると、その人の手を止めてしまうことになるの で、なるべく一人でできるところはやろう、と」

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    ―現在は、現場監督の業務をされているとのことですが、どんなところが大変ですか?
    「年上の職人さんたちに指示を出すので、気を使います。それに私の方が職人さんよりも経験が少なくて、怒られることも多いです。落ち込むことも多いですが、勉強だと思って頑張ります」


    ―仕事上で気を付けていることはありますか?
    「安全についてはすごく気を付けなきゃいけないな、と思います。皆さんご家族もいらっしゃるので、朝来たら元気にご家族のもとへ帰ってほしい、と。現場の納まりも大事ですが、安全が一番です。モノと違って、人に何かあっても取り替えるわけにはいきませんから。あと、いろんな業種の職人さんが関わるので、工程の調整も大変ですね。早くても遅くても困ります。サッシ1本でも納入までに1週間や 10日かかることもあるので、発注をかける前のチェックも重要です」


    ―加藤さんには、お子さんがいらっしゃると聞きました。子育てと仕事の両立って大変ですよね?
    「子どもが保育園に通っているのですが、やっぱり急に体調を崩すことがあります。私が休んだ時の現場の流れを、だれが現場に行ってもいいように段取りをするよう心掛けています。産休もありましたし、現場監督としてはまだまだ駆け出しなので、上司をはじめ、いろんな方に教えていただいたり、支えていただきながら仕事をしています」

     

    ―思い出に残っている現場を教えてください。
    「ん~、全部です。携わった家の前を通ると、当時を思い出しますね。大変なこともたくさんありますが、出来上がった時に、お客様に喜んでもらえると、また頑張ろうと思います。直接お客様の声を聞くことができるからこそ、続けられているのかな。 それに、家を建てた後も、お客様には良くしていただいて。心配事などがあった時には、電話をくださったり。造って終わりではないと思うんです」

    「津波で家が流されて、今は仮設住宅に住んでいますが、実は今度、家を建てることになりました。 お客さんの立場になるので、お客さんとして感じたことを仕事に生かせたらいいな、と思っています」

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    ―今後に向けて一言、お願いします。
    「家族や同僚、上司、お客様など、みなさんの支えがあってこの仕事を続けられていると思っています。感謝を忘れずにこれからも仕事を続け、そしてお客様に満足していただけるものを造り続けていきたいです。それから、福祉関係についても勉強できたら、と。住む人がみんな健常者ではないと思うんです。だから、体が不自由な方などに配慮した住宅づくりができたらいいな、と思います」



    ~ほしこの一言~
    男性との力の差をカバーしようと、工夫をしながら業務にあたっていた加藤さん。『できない』で終わらせない姿勢に、家づくりへの情熱と誇りを感じました。加藤さん、ありがとうございました!