いわけんブログ
平成22年 年頭所感
2010年1月06日岩手県建設業協会
新年あけましておめでとうございます。
皆様には、輝かしい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
昨年中は、社団法人岩手県建設業協会の活動に格別のご支援とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。さて、アメリカの鉱工業生産指数が5カ月連続上昇するなど、景気の底打ち感が鮮明になる一方で、国内経済は、デフレ基調の顕在化、円高・株安の進行など景気を下押しする懸念が強まっております。
県内経済は、新設住宅着工戸数が8カ月連続の前年割れが続いており、国の緊急経済対策の大幅な執行停止のほか、来年度当初予算が今年度比14%減となる見込みであるなど、今後企業倒産の多発など、建設業をめぐる環境はかなり厳しいものになると予想されます。
特にも雇用の状況は、一進一退の状況が続き、出口の見えない状況にあり、地域の疲弊が進んでおります。
建設産業は、公共事業を始め県内建設投資が大幅に減少する中で、価格競争の激化に伴う、行き過ぎた低入札による利益率の低下や工事品質への影響、下請企業・資材関連企業などへのしわ寄せなど、様々な問題を発生させており、かつてない厳しい状況に置かれております。
建設業協会としましては、このような厳しい状況を打開するために、県に対して、公共事業費関係予算の積極的な補正措置や入札契約制度の改善などについて、要望を行って参りました。
この結果、予算においては補正予算の確保と公共事業の早期発注がなされ、入札制度においては、必ずしも満足のいく形には至りませんでしたが、数次の改善措置がなされたところです。
さらに、10月には県営建設工事に係る公正取引委員会の審決案が提示されました。審決案は企業側が主張してきたことが悉く退けられた形となり、実態を正確に反映したものとは到底言えない、大変厳しいものとなりました。
これに対し、今年早々にも直接意見陳述が行われる予定ですが、これまでの例からすると、審決案が覆ることはほとんどないことから、審決も厳しい内容になることが予想されます。
もとより、建設産業は良質な社会資本整備のほか、雇用の場の確保、地域経済の活性化や災害対策などの地域貢献を通じ、地域の基幹産業として重要な役割と責務を負っているところです。こうした重要な役割と責務を担う業界としては、この審決案をただ単に対象企業の問題として片付けてしまうのではなく、業界全体につきつけられた体質改善の課題として重く受け止める必要があるものと考えます。
私どもは、改めて関係法令の遵守、企業倫理の高揚に努め県民の信頼を回復し、県民生活の安定向上と地域経済の発展に貢献できるよう、一層の努力をしていく必要があると考えます。
冒頭申し上げましたとおり、平成22年度の国の公共事業費は前年比14%減少の見込みであり、県の公共事業予算も前年比微減とされているところから、景気低迷により、民間建設投資に期待ができない現状では、経営環境は一段と厳しさを増すものと思っております。
今年におきましては、以上の状況を踏まえ、地域における喫緊の課題である雇用の問題について、建設産業の総力を挙げて雇用機会の確保に取り組みたいと思いますし、岩手宮城内陸地震の教訓に学び、災害への対応能力の向上に力を入れてまいりたいと考えております。
また、公共事業への依存度が高い業界の体質改善や経営体質の強化に向け、財務等の経営基盤の強化、技術提案力の向上さらに異分野への取り組みへの、経営支援センターのサポート事業の充実を図ってまいります。
入札契約制度については、これまでの改善措置の効果などを検証し、積極的に改善案の提案をしながら、総合評価落札方式の全面実施と行き過ぎた低入札の排除によって、適正な利益が得られる制度の実現を目指すとともに、真に必要な社会資本の整備に要する公共事業関係予算の確保を求めてまいります。
さらに、公益法人改革への対応としては、一般社団法人への移行を基本として、関係団体との統合や本部・支部の関係を見直し、新しい制度に的確に対応できる体制の整備について検討を進めてまいります。
(写真 社団法人岩手県建設業協会宮城政章会長)
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