いわけんブログ
- 2016年2月 一覧
キャリア教育支援事業に参加しました! パート1
2016年2月25日 17:46岩手県建設業協会
合同就職説明会
2016年2月23日 14:14盛岡支部
H28.2.23(火)岩手県立盛岡工業高等学校で合同就職説明会を開催しました。
土木科と建築・デザイン科の2年生80名全員が受講しました。
遠藤支部長の挨拶のあとH12土木科卒業の藤根建設(株)田村潤さんが自分が担当している業務等について説明しました。
続いてH15土木科卒業の樋下建設(株)高橋学さんが自分が担当した道路等を誇りを持って妻や子どもに話すことができること等家族との関わりも含めてお話しました。
最後に昨年3月に建築・デザイン科を卒業した中亀建設(株)の佐々木賢吾さんが新入社員1年目の感激等についてお話しました。
個別面談には16社が参加し、3人~6人が20分×3サイクルで面談を行いました。
卒業したら、地元の建設業社に入社してほしいものです。
釜石市議会経済常任委員との意見交換会実施について
2016年2月23日 11:29釜石支部
けんせつ女子=㈱青紀土木(釜石市)土木係長 倉澤久美さん「みんなで助け合いながら」=
2016年2月22日 17:25岩手県建設業協会
日刊岩手建設工業新聞に掲載(隔週木曜日)されている『スマイル☆建設女子部~女性記者ほしこが行く~』の記事を不定期に転載いたします。同紙の女性記者が、建設業に従事する女性を取材する企画で、読者から好評を得ている連載記事です。
近年、「ドボジョ(土木女子)」や「けんせつ小町」という愛称ができるほど、建設業で働く女性の活躍が益々期待されています。「女性が輝き、活躍できる業界」であることを多くの方に知って頂きたいとの思いから、日刊岩手建設工業新聞の全面的な協力をいただき、掲載するものです。
平成27年2月19日新聞掲載
㈱青紀土木(釜石市)土木係長 倉澤久美さん「みんなで助け合いながら」―倉澤さんは今、大手とのJVで防災集団移転促進事業の現場に携わっていると伺いました。
―夕方の打ち合わせってとても大事なんですね。
「私は、この現場で主任技術者をしています。今までこんなに規模の大きな現場に携わったことはなかったですし、JVとして現場に入ったこともありませんでしたが、工程管理にしても安全管理にしても、すごく勉強になります。今のうちにできるだけ吸収して、今後につなげていけたら、と思っています」
―打ち合わせとかもたくさんありますよね?
「現場での作業が終わった後、各地区の現場から事務所に戻って、翌日の作業内容や材料搬入についてとか、意見交換や打ち合わせをします。各現場の進み具合がある程度わかりますし、早く進んでいる現場があれば、工程や作業などを相談したり。みんなで情報を共有します」
「以前、『現場を持つ者は夕方からが本当の仕事なんだぞ』って言われたことがありました。当日急に予定が変わることもあるのですが、前日に、翌日どんな作業をするか決めますし、翌日に向けた準備をしますので、朝は比較的スムーズなんですよ。それに、ある程度時間があると、働く人って結構考えるんですよね。『一晩考えたけれど、やっぱりこのやり方がいいな』という場合もあります。職長さんに作業員さんから提案する場合もありますし、夕方の話し合いは大事なんだと思います」
―倉澤さんは、アルバイトとして入職されたとのことですが?
「当時、建設会社にあまりいいイメージはありませんでしたが、『男性でも女性でもやる気があればできる』というのを見て、臨時だし、女性でもいいって会社もあるしやってみようかな、と思い入職しました。最初は道路清掃をしていましたね。そのうちに、ほかの作業員さんの手伝いをするようになり、さらにレベルでの測量もさせてもらうようになりました。いろいろな作業をさせてもらう中で、技術も考え方もそれぞれ違うのに、一つの現場でモノができるのは面白いな、と思うようになりました。アルバイトの期間が終わり、社員として働かないかと声を掛けていただき、本格的に土木の道に入りました」
―普段仕事をする上で心掛けていることを教えてください。
「できるだけいろいろな人と話すことですね。私の仕事は人に助けてもらってできる仕事なんじゃないかな、と思うんです。作業員さんも含め、みんなで助け合いながら作業をする。だから、お互いに声を掛けて、というのは感じます。最終的に決定するのは私ですが、やっぱり意見を聞いたり相談したりして、最善のことをやるのが一番いいな、と。忙しくて自分の考えだけを通すこともあったんですけど、結局いいことはなかったですね」
―仕事をする中で、どんなところが面白いと感じますか?
「ずっとこの仕事をしていても飽きないなって思うんです。同じような工種でも、条件も働く人も違うので、同じ現場ってないんですよね。だからこそ、建設業は経験が大事だと感じます。自分の経験を生かしながら次の現場へと行く、というような。悩んで疲れて仕事つらいなって思っても、終わればほっとしますし、面白みがあって辞められなくて、今があると思います。なんか、中毒みたいですよね。これからも、安全でいいものを造っていきたい、と思っています」
~ほしこの一言~
「同じ現場はない」と倉澤さん。「建設業の仕事は飽きることはない」と今までに携わった現場での出来事を楽しそうに笑顔で語ってくれて、土木の仕事がすごく好きで大切に思っているというのが伝わってきました。倉澤さん、ありがとうございました!合同安全パトロール実施
2016年2月18日 10:13二戸支部
平成28年2月17日 県北広域振興局二戸土木センター、農村整備室、二戸市、軽米町、九戸村との合同工事安全パトロールを実施しました。
出発前には、二戸労働基準監督署大川産業安全専門官から「労働災害発生状況・災害発生事例・車両系建設機械による労働災害防止対策の徹底・ロープ高所作業での危険防止のための労働安全衛生規則の改正について」等々講話をいただきました。
小雪が舞う中出発、 青空も顔をのぞかせ、晴れたり降ったりの中、3か所の現場を約30名でパトロールを行ないました。パトロール終了後、各工事現場の良かった点・改善すべき点について意見交換が行われました。
良かった点
・完成予想図等の工事看板の掲示や夜間のイルミネーションの点灯等第三者への創意工夫がされており良い。
・歩行者通路が色つきシートになっておりわかりやすくて良い。
・休憩所が作業員の健康に配慮されていて良い(ウォーターサーバー、エアコン等の設置)。 等々
改善すべき点
・重機と作業員の距離が近いので意識的に離れて作業すること。
・法面に昇降用の階段を設置した方が良い。
・風量確認のための吹き流しが機能していなかった。 等々「農業の再生を通じて 産業と雇用の安定を ―真の地方創生に向かって」農事組合法人サンファーム小友 代表理事組合長 石川滿雄さん
2016年2月17日 13:31岩手県建設業協会
一般社団法人岩手県建設業協会では、これまで平成24年と平成25年に東日本大震災の記録誌を発刊致しました。本年3月に震災から5年を迎えますが、同月に3刊目の記録誌発刊を予定しております。記録誌では建設業の声だけではなく、地域の方の声を掲載します。復興に向けて頑張っている地域の姿や思いを各方面にお伝えすることを目指しています。
発刊に向けて編集を進めている中から、地域の方の声を先行してブログで紹介致します。インタビュー記事の編集は日刊岩手建設工業新聞社です。
農業の再生を通じて 産業と雇用の安定を ―真の地方創生に向かって
農事組合法人サンファーム小友 代表理事組合長 石川滿雄さん
農林水産業が基幹産業である陸前高田市。その中で100㌶近い農地が被災した小友地区での営農再開は2014年。地元ブランド米「たかたのゆめ」をはじめ、市の平均的な反収を上回る理想的なスタートとみられた。しかし農地改革の影響による減反補助金の減額、戦後最悪とも言われた米価の下落、農業資材や燃料費の高止まりなどの逆風が吹いた。農地の復旧を第一に進んできた石川さんたちは、15年からが本当の勝負と気持ちを新たにした。
小友地区の高台からは東に大野湾、西に広田湾を一望する。2011年3月11日、この二つの湾がそのまま両方向からの津波の入口となった。被害を受けたのは農地だけではない。農業用の資機材、倉庫、自宅、その全てを失った農業者もいた。
11年11月に県から出されたプランは、受益者負担ゼロの原形復旧と負担が生じる区画整理事業の2案。「まずは暮らしの再建。とても営農どころではない」「わずかでも負担が生じるならば原形復旧でも」などの声が強くなっていった。
石川さんは当時、水利組合の組合長を務めていた。「米価が低迷し減反政策が強化される中、遊休農地や耕作放棄地も増えている。将来に向けた農地の面積拡大が必要」との思いから、戸羽太市長に対して区画整理事業における受益者負担の免除を要望。市議会での審議を経て、市による負担が決定した。
旧来の5~10㌃の区画を30~50㌃に拡大する区画整理事業の導入が実現した。その一方、地元農家は高齢化が進み、資機材も被害を受けていた。石川さんらは地元農家と何度も意見交換を重ね、新組織による農業経営が決定。水利組合、稲作組合、転作組合、機械利用組合の4組合を合併し、14年3月「農事組合法人サンファーム小友」が誕生。その年、約90㌶の農地に一面の緑が戻った。
営農再開から2年目となる15年、「たかたのゆめ」は特栽米であり収量が上がらないことから耕作面積を縮小するとともに、個別の販売ルートを開拓して米価下落に対応。耕作面積を15㌶に拡大した飼料米では生産コスト削減に向けた直まき栽培も始めたが、農地の均平状態が安定するまでにはもう少し時間を要するという。
しかし石川さんたちは、現状にただ手をこまねいているわけではない。新たに大豆とニンニクの栽培をスタートした。特にもニンニクは健康食品向けに、安全・安心な国内産へのニーズが高まっており、安定的な収入の確保につながることが期待されている。
「私たちの営農はマイナスからのスタート。確かに現在、経営状況は楽ではありません。しかし地方の本当の再生、真の地方創生のためには、安定的な雇用の場が不可欠」。石川さんは、小友地区の農業の再生にとどまらず、陸前高田市全体の将来を見据える。「私たちが安定的な経営を実現することで農業が再生し、地域の産業と雇用の安定化にもつながっていくはず。地域の将来のため、今をがんばらないと」と力を込める。
おわりもりおか雪あかり2016
2016年2月17日 12:03岩手県建設業協会
遅くなりましたが・・・奥州支部~平成28年度新年交賀会 報告
2016年2月16日 13:31奥州支部
平成28年1月14日、奥州支部の新年交賀会が奥州市水沢区のプラザイン水沢にて開催されました。
会員をはじめ、県南広域振興局、奥州市、金ヶ崎町、県議会議員など約60名が出席。
挨拶で佐々木支部長は、オール岩手を合言葉に一日も早い復興への協力を呼びかけたほか、災害訓練の重要性及び担い手三法にも触れた上で、行政向けた発注者責務、公共事業費予算の確保を捉した。
続いて、15年に各種表彰を受けた会員を紹介、記念品が贈られた。(左から工藤建設㈱、高惣建設㈱、栗原建設㈱、進栄建設㈱、EC南部コーポレーション㈱)
祝辞では、堀江県南広域振興局長(代理:平野副局長)が「復興支援の観点から国道397号、国道107号の整備を進める」とし、業界への協力を求めた。
続いて小沢奥州市長は、「合併特例債などの恩典が終わり投資的経費を半減させざる負えない状況であるが、業界を下支えできる財政運営をしていきたい」との考えを示した。
その後、県南広域振興局細川土木部長の音頭により乾杯。
出席者は、新年を祝い懇親を行った。
小岩井農場の一本桜
2016年2月16日 11:33盛岡支部
建設業の新分野進出の取り組み発表などを行いました。
2016年2月16日 10:23岩手県建設業協会
平成28年2月1日(月)一般社団法人岩手県建設業協会では、岩手県・国土交通省東北地方整備局・東北地方建設産業再生協議会との共催で、建設業新分野・新事業発表フォーラムを開催しました。
基調講演では、加和太建設が「大社の杜みしま」の実状を説明しました。
大社の杜みしまは建設企業が携わり、三嶋大社の門前町の活性化を通じ、三島市そして地方を元気に、地域活性化のモデル事業になることを目的として、立ち上げとなりました。
事業発表では丸協建設(奥州市)、岡崎建設(紫波町)が、表彰事業の紹介、取り組みを始めたきっかけや今後の課題などを説明しました。
今回以前表彰を受けた大和造園土木(花巻市 平成23年度受賞)、オリテック21(盛岡市 平成25年度受賞)より、現状の取り組みについて発表しました。
また、商品・事業PRブース展示では、新分野に進出した約70社の建設企業等のパネルを展示しました。
丸協建設株式会社・・・・・デイサービス・グループホーム
岡崎建設株式会社・・・・・オガールベース
大和造園土木株式会社・・・だいわブルーベリー園
株式会社オリテック21・・橋梁用排水装置関連事業
加和太建設株式会社・・・・大社の杜みしま
※参考にこれまでの「建設業新分野進出等事業紹介(農林水産分野)」ページをご覧ください。「第9回せんまやひなまつり」が開催中です
2016年2月15日 11:04千厩支部
山鹿市管工事業協同組合・広報委員会IT部会 合同研修会を開催
2016年2月 9日 18:16岩手県建設業協会
2月5日、熊本県の山鹿市管工事業協同組合と広報委員会IT部会の合同研修会を開催しました。6日には、宮古市内で災害復旧工事現場の視察や震災学習ツアー「学ぶ防災」に参加しました。
IT部会と山鹿市管工事業協同組合とは平成25年から交流があり、昨年2月には山鹿市にて管路システム等の研修視察を行いました。(1)iPadを使ったFileMakerベースのカスタムAppの機能の紹介と操作山鹿市管工事業協同組合視察及び南九州三県合同勉強会 ブログ記事
山鹿市管工事業協同組合は、組合組織では全国初となる管路システムを平成19年に構築しました。住宅地図をベースに水道管網図を折込み、図面、写真、管埋設状況、工事履歴などをデータベース化、GIS技術を活用したシステムを運営しています。システムについて、実際の画面を見ながら詳しくお話を聞くことが出来ました。
同組合は山鹿市水道局より水道施設維持管理業務委託を年間委託契約で受注しています。管路やメーター、工事履歴のデータベースを維持業務や施工時に情報共有することより、組合員の施工効率化を図っています。水道管の維持業務には当番制で組合員が24時間待機し、緊急時対応の共同受注でも組合事業を創出しています。
地元企業の利点を活かした構築・運用、データ更新が行われていることが強みとなっているようです。未来につながるIT技術活用としての好事例であり、事業者団体の存在意義として、1つの方向性を示していると思います。
合同研修会 2月5日今回の合同研修会には、山鹿市管工事業協同組合からは池田孝一代表理事、有働建蔵理事、山﨑康博理事、城祐樹IT部会長に参加頂きました。
株式会社ネクスコ・メンテナンス東北 十和田事業所 所長 伊藤 和明 様
株式会社ネクスコ・メンテナンス東北 企画部企画課 畑山 仁 様(2)組合の歴史と現在自社開発したクラウドシステムを活用した業務の効率化と情報共有についてお話を頂きました。高速道路の維持管理業務からトイレ掃除の職員まで、iPadを使って情報共有を行っているそうです。現在は3事業所で利用されています。
山鹿市管工事業協同組合
理 事 有働 建蔵 様
代表理事 池田 孝一 様
IT部会長 城 祐樹 様管路システム導入の経緯や現在の活動、今後の課題などについてお話を頂きました。
最後に「東日本大震災からの復興~現在の課題と現状~」として、当会IT部会事務局よりお話をいたしました。総 評 ITコンサルタント 桃知利男氏
山鹿市管工事業協同組合とのご縁を導いて下さった桃知氏から総評を頂きました。
宮古市内復興状況など視察 2月6日
災害復旧工事現場視察防潮堤の災害復旧工事現場を視察しました。工法、進捗、苦労している点などを現場担当者から説明を受けました。
震災当初の啓開作業などについて刈屋建設㈱の上野裕矢氏より、震災当日の様子、発生後の道路啓開作業などについて説明を受けました。
震災学習ツアー「学ぶ防災」 田老地区宮古観光文化交流協会の方から、田老地区の被災状況や現状などのお話を防潮堤に上ってお伺いしました。最後にDVDで当日の津波の様子について解説を交えて上映がありました。
非常に中身の濃いツアーで、子供から大人まで延べ97,000人の方が参加されたそうです。
今後の公共事業は維持修繕が中心になって行く方向であり、今回の研修で学んだIT化の取組みを参考に今後の活動に活かしていくことを確認しました。
防災士養成研修講座
2016年2月 8日 08:54宮古支部
労働災害防止に係る一層の取り組みについて
2016年2月 5日 16:13建設業労働災害防止協会
建設業景況調査12月調査及び公共工事動向1月を更新しました
2016年2月 2日 11:08岩手県建設業協会
岩手県建設業協会ホームページ更新のお知らせです。
東日本建設保証(株)岩手支店より情報提供頂いている建設業景況調査12月調査(平成27年度第3回、東日本大震災被災地版)、公共工事動向(岩手県内1月版)を「各種情報」内の「東日本建設業保証(株)岩手支店提供資料」に掲載しました。
↓PDFファイル↓建設業景況調査(岩手県版)12月調査
調査結果(概要) → こちら(PDF)
データ表 → こちら(PDF)建設業景況調査(東日本大震災被災地版)12月調査
調査結果(概要) → こちら(PDF)
↓PDFファイル↓
公共工事動向(岩手県内)1月版→ こちら(PDF)
浜の歴史に感謝し、未来に海を紡ぐ ―岩手の漁業全体を盛り上げる「恋し浜ブランド」小石浜養殖組合 ホタテ部長 佐々木淳さん
2016年2月 1日 18:29岩手県建設業協会
一般社団法人岩手県建設業協会では、これまで平成24年と平成25年に東日本大震災の記録誌を発刊致しました。本年3月に震災から5年を迎えますが、同月に3刊目の記録誌発刊を予定しております。記録誌では建設業の声だけではなく、地域の方の声を掲載します。復興に向けて頑張っている地域の姿や思いを各方面にお伝えすることを目指しています。
発刊に向けて編集を進めている中から、地域の方の声を先行してブログで紹介致します。最後にインタビューの動画もご覧下さい。
インタビュー記事の編集は日刊岩手建設工業新聞社です。
浜の歴史に感謝し、未来に海を紡ぐ ―岩手の漁業全体を盛り上げる「恋し浜ブランド」
綾里漁業協同組合 小石浜養殖組合 ホタテ部長 佐々木淳さん
「食べる側の人との関わりがいかに大切か。震災を通して改めて実感しましたね」「恋し浜」の名で全国に知られ、築地で最高値を付けたこともあるホタテを、東日本大震災は容赦なく奪い去った。大小合わせて50隻以上あった船も、残ったのは陸に打ち上げられた小舟を含む4隻のみ。明治と昭和の津波で被害を免れた家屋も流され、川沿いの作業場は10棟全てが流出した。
「何年かかっても構わないから復活してほしい」。消費者や取引先から届く温かい声。ボランティアで現地を訪れていたオール・ハンズ・アジア代表理事の北濱哲さんが呼び掛けた寄附金によって、荷さばき施設も復旧した。「食べる側の人が私たちを心配し、元気づけたいという思いを感じることができました」。佐々木さんは振り返る。
震災後、漁協の素早い対応もあり、11年12月に養殖施設の約7割が回復した。北海道から半成貝を調達して養殖を再開し、12年から出荷をスタート。14年以降は稚貝から育てた2年貝の出荷を再開。一人当たりの出荷量は震災前の水準にまで復活した。
15年からは、生産者と消費者とつなぐ新しい動きも始まった。海中がれき撤去のボランティアを行っていたダイバーの佐藤寛志さんが中心となり、三陸鉄道恋し浜駅前に「恋し浜ホタテデッキ」を8月オープン。この土地を訪れた人たちとの交流スペースとして、小石浜の土地や漁業のファンを増やし、新たな需要創出にも結びついている。
また、9月には「綾里漁協食べる通信」が創刊。創刊のきっかけは、「東北食べる通信」で紹介された恋し浜ホタテ。漁協職員が編集長を務め、綾里地区にある6漁港の生産者らにスポットを当て、漁業の魅力を発信しながら、食べる側と直接つながるツールとして年4回の発行を目指している。佐々木さんも「綾里がモデルケースとなり、各地の浜で交流人口が増え、活気づくきっかけになれば」と期待を込める。
「自分たちだけが良ければという考えでは続きません」。佐々木さんは常に岩手全体のブランド化、活性化を視界に入れる。「恋し浜ホタテがブランド化すれば、恋し浜のある岩手が付加価値になり、岩手には美味しいものがまだまだ沢山あることを知ってもらえます。だから私たちは、狭い世界の中での足の引っ張り合いはしない。他人を蹴落とすのではなく、お互いが高みを目指し岩手全体が盛り上がってこそ、初めて自分たちに返ってくると思っています」
恋し浜ブランドの基盤をつくったのは、先代の漁業者たち。漁場の能力を把握した上で数量制限に取り組み、量ではなく質を追求したことが、現在の姿に結実している。佐々木さんは、この連綿と続いてきた浜の歴史に感謝しながら、次世代につないでいくことの責任を訴える。「食材のファンになってくれた人が、その土地のファン、漁業のファンになってくれる。そこから交流が生まれ、漁業を志す人や将来的に移住してくれる人が出てくるなど、新しい化学変化が起きる可能性だってある。それが海を未来へと紡いでいくことになると思います」
おわり
インタビューの動画です。
小石浜養殖組合ホタテ部長 佐々木 淳氏インタビュー(2016.1.7小石浜漁港にて)
聞き手 日刊岩手建設工業新聞社
撮影・編集 一般社団法人岩手県建設業協会- 1
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