風景と樹木
平成20年6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。
今回も「花林舎動物記」はお休みとして、『すこやかな暮らし発見、岩手から。「家と人。」』という雑誌から野田坂伸也氏の記事「風景と樹木」を抜粋し、第11話「ヤマナシ」を転載させていただいきます。
ヤマナシ
ヤマナシの実
私が生まれ育った家のそばを流れる馬渕川沿いの崖の上に、1本のヤマナシの木があった。樹高は10メートルくらいだったと思う。
衰弱していて、あまり花も咲かず、実も少ししか付かなかったが、取って食べてみたことがある。ピンポン球よりやや大きく、色は黄褐色、かじるのに苦労するほど堅く、甘味も薄く香りも感じられなかった。もっとも、まだ熟していない実をとったせいかも知れない、と今は思う。
宮沢賢治の童話「やまなし」には、川に落ちたヤマナシがいい香りを放つ、というくだりがあるが、これは嘘だと私は自分の経験から、ずっと思い込んでいた。ところが2~3年前の新聞に「ヤマナシにはイワテヤマナシという変種があり、この実はいい匂いがする」という記事が載ったので、ヤマナシの中には賢治のいうように芳香を持つ実をつけるものがあることを知った。
ということでヤマナシは一時話題になったのだが、このときも花については触れられることは無かった。ナシの花の美しさについては昔は注目する人もいたようであるが、今は庭木や造園樹木の本にも取り上げられることは皆無と言っていいし、季節の風物詩としても梅は別格としてもリンゴの花や桃の花に比べてはるかに取り上げられることが少ないのではないか。しかし、ヤマナシは花木として見直してもいい風格と美しさをそなえている、と私は思う。






.jpg)
.jpg)
.jpg)















.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)
.jpg)










