いわけんブログ
- 2011年9月 一覧
風景と樹木 第16話「ヤマナシ」
2011年9月29日 16:10花林舎
風景と樹木
平成20年6月から「花林舎動物記」という楽しい動物のお話を読み切りで掲載しています。「花林舎動物記」とは、滝沢村にある(株)野田坂緑研究所発行(所長 野田坂伸也氏)の会員限定情報誌「花林舎ガーデニング便り」の中で最も人気がある連載記事です。
「花林舎動物記」等の外部投稿連載を7月上旬から再開しております。先月に引き続きしばらくは『すこやかな暮らし発見、岩手から。「家と人。」』という雑誌から野田坂伸也氏の記事「風景と樹木」を転載させていただいきます。ヤマナラシ
ヤマナラシって何だ
まだ大学院生だったころ、造園植物の研究をしていた助教授の手伝いで、全国の街路樹の調査をしたことがあった。調査の主体は主要都市にお願いしたアンケートの分析であるが、現地で確認しなければならないこともあるので、数カ所は出張して公園緑地の担当者と会ったり、市内を見て回ったりした。造園植物学の勉強を始めてまだ間もない私にとっては、東京を離れて遠隔の地に行くのは知らない樹木に会えることになるので、それらを見て歩くのが楽しくてしょうがなかった。
今から40年も前のことなので記憶に残っていることはほとんどないが、一つだけ覚えていることがある。
函館市の緑化係の人が「ポプラと言うことになっている街路樹があるのですが、私はヤマナラシだと思うんです。見て確認してくださいませんか」と言った。私はそのころヤマナラシという樹木名を聞いたことすらなかったが、助教授も同様だったらしく困った顔をしていた。結局この時はその街路樹を見に行かなかった。
その後、日本の造園関係の仕事でヤマナラシに出会ったことは一度もなかったが、岩手に戻ってからは山野でしょっちゅう見かけるようになった。明るく素直に伸びる木
ヤマナラシはポプルス属(ヤマナラシ属)の樹木である。ポプルス属とは一般に分かる言葉で言えばポプラの仲間である。ポプラ類は世界の北半球に約100種あるが、日本には3種しか自生していない。その中でもっとも普通に見られるのがヤマナラシである。つまり、日本産のポプラということになる。道路工事跡の裸地などによく生えてくるので、パイオニアプランツと呼ばれる。アカマツ、シラカバ、ヤマハンノキ、タラノキなどもパイオニアプランツであるが、森林伐採跡に1~2年するとタラノキがたくさん出現するのは、山菜の好きな人ならたいてい知っている。
ヤマナラシは姿の美しい木である。幹がまっすぐに高く伸び、灰白色の樹肌と浅緑の葉が明るくすがすがしい印象を与える。
ただ、若いヤマナラシはすっきりしすぎていて風情に乏しい。苦労知らずでのびのびと育ち、素直で明るくスタイルもよくおしゃれで、だけど頭の中は空っぽ、という青年を思わせる。そんな人間でも長く生きているうちにそれなりに苦労もし、人生のしわが外観に現れるようになる。ヤマナラシも風雪を重ねることによって次第に趣のある姿に変わっていく。
もちろん長年の辛苦が鍛え上げたようなミズナラやカシワの剛毅な風格とは似てもつかないが、苦労した人間だけが偉いのだと考えなければ、ヤマナラシの成長した姿も捨てがたい。いや、このような美しさをもった木はあまり無いといってもよい。
それなのに我が国の造園・緑化の関係者はヤマナラシを知らないのか、知っているが使いたくない理由があるのかこれを植えてある公園や緑地を見たことが無い。ただし、植えなくても生えてきて勝手に大きくなっている緑地もある。
下の写真に示したヤマナラシは高速道の法面に生えてきたものである。植えたものではない。ポプラ類は柳にごく近くハコヤナギとも言い、中国では「楊」と称する。種子にはふわふわの綿毛がついていて、風にのって広範囲に散布される。写真のヤマナラシは枝の先が膨れたようになっているが、これは花芽である。ネコヤナギの花は毎年冬の終わりごろになると新聞の記事になるが、あれと同じような花がポプラ類にも着くのである。根から新しい苗ができる
ヤマナラシは乾燥ややせ地にも強く、成長は速い。大きな特徴は地下の浅いところを長く伸びた根から芽を出して苗ができることである。そのため多数のヤマナラシが一斉に生えそろうことがある。ポプラ類ではこのような性質をもった種類がいくつか知られている。
高速道のインターチェンジで、ポプラの小さい苗が無数に生えているのを見つけて近寄って見ると、苗は直線状に並んでいてそれがどれも四方に長く伸びた太い根から発生しているのがわかって驚いたことがある。そこは地盤が固くてポプラの根は地中に潜って行けないために地表近くの浅いところを水平に伸び、その根から数え切れないほどの多数の苗が発生していたのである。桜でも全く同じ現象を見たことがある。
根から新しい苗が発生することでもっともよく知られているのはニセアカシアであるが、ニセアカシアはこの特性のために嫌われている。ヤマナラシも公園などに植えた場合、増えすぎて嫌がられるということになるかも知れない。植栽するならおおらかに考えられる場所を選ぶのが無難であろう。ヤマアラシの名の由来
一般に木の葉の柄の断面は丸い。ところがヤマナラシの葉柄の断面は平べったい。そのため少しの風でも葉はヒラヒラと翻る。やや強い風が吹くとザワザワと鳴る。それでヤマナラシという名がついたとされている。美しい名である。姿に合った名である。姿と名が適合した木を見るのは楽しい。
じつは、私の家の横にも数年前にヤマナラシが1本いつの間にか生えてきた。そのままにしていたら今では10本くらいになり、毎年増えている。このまま増え続けると困るので、昨年初めて3本切った。
まだ若木なのですっきり伸びて頭の空っぽな青年のような樹姿である。すぐ隣にヤマナシの木がある。10年後にどっちを残すか悩むことになるかも知れない。
「風景と樹木」バックナンバー
第15話「ネムノキ」
第14話「トチノキとマロニエ」
第13話「シロヤナギ」
第12話「オニグルミ」
第11話「ヤマナシ」
第10話「カツラ」
第9話「ダケカンバ」
第8話「ベニヤマザクラ」
第7話「シンジュ」
第6話「コナラ」
第5話「ハリギリ」
第3話「シナノキ」・第4話「カエデ類三種。」
第1話「ケヤキとサツキの大罪 -その1-」・第2話「ケヤキとサツキの大罪 -その2-」「建設業ふれあい事業」青年部
2011年9月28日 18:12一関支部
いわての建設業・「食」と「環境」フェスタ2011開催します。
2011年9月28日 10:46岩手県建設業協会
この度、岩手県と当協会との共催でいわての建設業・「食」と「環境」フェスタ2011を昨年度に引き続き開催することとなりました。
今年度のフェスタでは、『食』と『環境』の意欲的に取り組んでいる事業の商品の質と量をスケールアップし、消費者を対象とした実践の販売会で今後の販路に繋げる情報収集・情報発信を行います。
詳細につきましては、「こちら」からダウンロードできますのでご覧にください。
是非、会場にお越しくださいますようご案内いたします。
日 時:平成23年10月 1日(土) 9:00~19:00
10月 2日(日) 9:00~19:00会 場:イオンモール盛岡 1階食品フロア イベントスペース
内 容:農林産物・加工品等の販売および試食
主な商品(マコモタケ、きのこ各種、ほうれん草、わさび加工品、生きくらげ、野菜各種、りんご、にんにく、チキン、いちごジャム、ポット苗、りんどう)
パンフレット配布
各企業の取組のポスター展示等
案内パンフレットは → 「こちら」
平成22年度に開催した様子 → 「いわての建設業 「食」と「環境」フェスタ2010」建退共岩手県支部 ☆加入促進強化月間のお知らせ☆
2011年9月28日 10:44建退共岩手県支部
来る10月は建退共加入促進強化月間です
実施期間 : 平成23年10月1日~平成23年10月31日
後 援 : 厚 生 労 働 省 国 土 交 通 省
建退共では毎年10月、制度をより一層ご活用いただくよう加入促進活動を
重点的に展開いたします。建退共制度は
昭和39年の創設以来46年を経て、
皆様のご理解、ご協力のもと、
全国で約18万3千の建設事業主と、
287万人の労働者を擁する規模に
成長し成熟期を迎えております。3月11日の大震災では、壊滅的な
被災地に向けて、建設業界ではいち
早く救援、支援体制を取り、その後の
復旧に大きな役割を果たしています。建退共でも災害救助法による特例
措置を実施、失った共済手帳、共済
証紙を再発行しております。
また、退職金支給も迅速、確実に
すすめております。被災地域の復旧、復興はまだ緒に
ついたばかりではありますが、本年度
も現場で働く方の意欲と安心を確保
し、事業主の雇用と経営の安定を
目標に、関係行政機関や元請事業
主に対しポスター掲示などについて
協力を依頼いたしました。また、IBCラジオ、エフエム岩手、ラヂオ盛岡の3局において
下記の日程で建退共のインフォメーションを行います。・IBCラジオ
放送日:10/3(月)~10/14(金) (土、日を除く)
時 間:17時45分~17時48分(予定)・エフエム岩手
放送日:10/3(月)~10/7(金)
時 間:17時45分~17時48分(予定)・ラヂオ盛岡
放送日:10/3(月)~10/7(金)
時 間:18時00分~18時03分(予定)現場安全パトロールを実施。
2011年9月21日 11:43千厩支部
9月15日、千厩支部の現場安全パトロールを実施しました。
指導協力機関からは、一関労働基準監督署、千厩土木センター、一関農村整備センター、一関市室根支所の方々に参加いただきました。今回の対象現場は、一関市室根町の土木工事3現場です。発注が本格化する中、労働災害防止対策の徹底を訴えました。
好事例として、KYで健康状態を確認していることや作業現場近くにパラソルや飲み物を置いて熱中症対策を実施していること等があげられました。また、大雨による土砂の流出対策について意見が出されました。
千厩支部では、安全パトロールに建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS:コスモス)の柱であるリスクアセスメントを取り入れています。今回は「側溝工」及び「掘削積込み運搬作業」についてリスクアセスメントを実施いたしました。
須川(栗駒山)登山道整備に協力
2011年9月20日 17:42一関支部
25kmにわたり国道284号線のゴミ拾いを実施。
2011年9月14日 15:35千厩支部
ふれあい事業
2011年9月 9日 13:52宮古支部
佐藤のぶあき先生又脇雅史先生との懇談会について
2011年9月 5日 14:27釜石支部
公共工事動向8月を更新しました
2011年9月 5日 13:16岩手県建設業協会
(社)岩手県建設業協会ホームページ更新のお知らせです。
「各種情報」内の「東日本建設保証(株)岩手支店 提供資料」に東日本建設保証(株)岩手支店より情報提供頂いている公共工事動向(岩手県内8月版)を掲載しました。↓PDFファイル↓
公共工事動向(岩手県内)8月版→ こちら(PDF)
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